貧血とフェリチン
現在世界で20億人がその症状において悩まされてると言われる、身近な栄養失調の貧血。
こと、日本においても貧血が問題とは散々とりただされて来ています。
日本人は元々、肉を多く食べない(海に囲まれた島国だからね)という環境に加え、現代においては野菜やお米などのミネラル含有量の低下(昔は畑の土質がミネラル豊富でした)、水質自体のミネラルの違い、糖分接種頻度の増加、鉄器使用の減少、過度なストレス、間違ったダイエットブーム、などから、鉄の不足がさらに深刻化しているのが現状と言えるわけ。
恐らく元々少ない状況に耐えてきた民俗であるゆえに、その結着能力は低く、さらに鉄不足は親から子へと影響するため(貧血の子は貧血なのです)、潜在的な鉄不足はまさに大問題なのであーる。
男性でも貧血になる時代だから…(うちの兄貴ですwww)
より多くの血液が必要となる女性には深刻な問題なのです。
貧血は様々な病状をもっており、以下のような例が報告されます。
・めまい ・疲れやすい ・肩こり ・冷え ・風邪をひきやすい ・少し動いただけで動悸がする ・集中力の低下 ・憂うつな気分 ・神経過敏 ・イライラする、キレやすい ・食欲が低下する ・のどがつまる感じがする、嚥下障害 ・硬いもの(氷、せんべい、鉛筆など)を噛みたくなる ・しみやアザができやすい ・髪が抜けやすい、髪にコシがない ・脚がむずむずして眠れない ・脚がつりやすい ・爪が白い、扁平化、柔らかい、割れやすい
etc
大抵の現代人やんけ・・(笑)
全てが貧血だ!と言うわけではないのでしょうが、併発していることが多いのでしょう。
さて、ここで注目されはじめたのが"隠れ貧血"です。
見かけは大丈夫だけれども、貯蔵鉄が減ってしまう状態です。
要するに貯金無しで財布のお金をバンバン使って無くしちゃう状態。
そりゃ"鉄貧乏"になってしまうわけ。
ここで注目されはじめたのが"フェリチン"という存在です。
"フェリチン"とは鉄を貯蔵する機能を持ったタンパク質で、このフェリチン値が低すぎることが問題視されてきています。
これは様々な臨床結果を踏まえて“フェリチン低値=不調”という図式を発見したことがきっかけと言えます。
それによって、とある定義が生れました。
“フェリチンを上げれば健康になれる!”ですね。
つまり“フェリチン高値=好調”という図式です。
さてはて、これは実際どうなの?という所が今回のテーマですわい。
最初から結論付けると、僕個人の意見としてはこれは完全に間違いです。
先に答えを出すと“フェリチン低値=不調”ではなく“フェリチン低値→不調”です。 これはかなりの割合でそういう状況がみられます。1桁だともうどうにもならないくらい不調の人が多い。
で、そのあとです。
“フェリチン高値=好調”も、やはり=ではない。 ここは“不調→好調→フェリチン高値”という考えかたが良いと思います。
つまり“好調時フェリチンも高値になっていた”という状態です。
要するに、結果フェリチンも高くなった、ということ。
フェリチンが高いから好調、ではないわけ。
これを理解するには、フェリチンとは何か?という所がポイントになります。
フェリチンは“鉄貯蔵タンパク”という表現がなされます。
つまり鉄をため込んでおいてくれて、無くなったらおいそれと出してくれるやつ、みたいな。
で、まずそこがポイントですわな。
まず、鉄貯蔵タンパクは他にもあります(ヘモジデリン)。
なぜフェリチンが取り上げれられるかというと、血漿中に流れ込むので検査が安易なことや、貯蔵に優先的に働くのがフェリチンだからということかなと。
さらに、鉄はヘモグロビンやトランスフェリンやヘモシデリンなど様々なタンパク質によって結着し運ばれています。
これがなぜなのか?という所がポイントですわな。
簡単な理由で、鉄は生体内で単体で存在することが出来ません。
これが過剰になると生命活動を維持できなくなってしまうという…。
よって生体内に鉄が溢れた場合、それを全力で阻止する防御システムが備わってます。
そこですな、過ぎたるは猶及ばざるが如し、というもんで、普通に使う分には問題ないのですが、やたらある場合は対応しないといけない。
ヘモグロビンやトランスフェリンなどが囲いきれない余った鉄を回収してくれるのがフェリチンなんですな。
そのため何らかの障害(炎症など)によって鉄が過剰になっていても、フェリチンは現れ、値が上がるのです。
従ってフェリチンは“急性反応蛋白質”として炎症マーカーにも使われます。
なかなか・・・分かりにくい話です(笑)
ということでもう少しかみ砕いて説明します。
タンスを想像してください。
あなたは服を買います。しかし一張羅しかなければ洗濯も出来ない。 オシャレも楽しめない。古くなったらおしまいです。
なので、タンスに服を置いていきますね。
タンスの容量は限られてますから、まあゆっくり買っていくわけです。 お気に入りのお店や、時には高いブティックで。
やがてタンスは埋まっていきますが、丁寧に整理整頓しながら収納します。 たまにきれいに畳んだりしてあげながら、要所要所で使い分け、古くなったら捨てます。
こうしてきれいに服の数が増えていき、理路整然としてお部屋の出来上がりです。
良いですね!
ところがネット通販とかでうっかり買いすぎちゃいますよね? もしくは旅行とかで爆買いしちゃいます。
整理整頓が得意な人なら、これをサクサクと処理してなんとかします。 タンスに服は溜まっていくのですが、まあなんとかなりますね。
まあ良いですね。
ところが、整理整頓が下手糞な人は?
当然部屋がぐちゃぐちゃになります。ヤバいっす。
足の踏み場もない。こうなると、どうする?
なんかタンスに無理矢理突っ込んだり、あるいは新しくボックス買ったりします。 なんとか突っ込んでみましたが、部屋は荒れてます。
残念ですね…。
・・・こういうことですwww
“服が増えました”
という結果は同じですよ。でも起きている現象は全く違います。
フェリチン値にも全く同じことが言えます。
何が起こって上がったかは、別の理由があることもある。
確かに服が無いという状態、つまり貧血はやばいんですよ。
でもそれを補うにあたって大事なのは、どうやって服を増やしていくかです。 とりあえず増やせばいい、わけではないんですよね。
そして貧血が酷い人は食事では追い付かないのも、やはりあり得るのでしょう。
そのために鉄サプリを摂取するのは必要な時代なのかもしれない。
しかし安易に攻めるのではなく、まずは食事、検査、摂取と段階を踏みましょう。 その前に、貧血になってしまった事態を反省してください…(笑)
ここからは個人的な考えですから、参考程度に。貧血の方は専門家を頼ってください。
鉄分は目安としては1日に10mgと言われています。それであれば20mg程度摂れていればゆっくりでも上がっていくはずです。ここで上がらない可能性もあるわけですが。
これを食事で補っていくのが理想です。肉、卵、レバー。損失を防ぐために糖質は控えめに。特にジュースやお菓子と言った過度に甘いものは避けたいですよね。
ホウレンソウなどの葉野菜、鉄器や鉄たまごの使用など、ちょっとの工夫も欠かせません。
鉄分含有量目安は こちら
サプリメントを使うなら海外産が良いです。日本のものはヘム鉄です。
吸収率が良いのは“キレ―トされた非ヘム鉄”です。これは国内では買えないんですよね。
さらに海外のものは純粋な鉄だけではなく、他にもビタミンB12や葉酸などが入ってることが。
これが悪さしちゃうこともあります(過去記事参照)。
これらを1日1錠で良いと思います。Iherbにてお買い求めいただければ安いでしょうな。
この辺りで適正に上げていくのが良いと思いますが、これさえ一例です。
上手くいく方法、では別にありません。
食事や栄養の管理は基本的に自己責任です。
いろんな意見を取り入れながら、自分の体と向き合ってください。
その食べたものが、あなたを作っていますから。
※参考
わかりやすい貧血の知識 http://www.hinketu.sakura.ne.jp/i-1.html
コトバンク 鉄タンパク質 https://kotobank.jp/word/%E9%89%84%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA-1372692
血中フェリチンについて http://hica.jp/kono/sinryomemo/kogen/fer.html
フェロトーシス誘導の仕組み http://www.1ginzaclinic.com/ferroptosis/ferroptosis.html